Lingerie Talk @ Lingerie Press vol.8

『KRISS SOONIK』デザイナー クリス・ソニックさん(後編)

「2012年からの4年間、ヨシコと私は共に成長してきたのよ

ランジェリー界で活躍する方々のルーツ、ポリシー、そして夢を語って頂く、「Lingerie Talk @ Lingerie Press」。今回はイギリスブランド『KRISS SOONIK』の創設者でありデザイナーであるクリス・ソニックさんにインタビューを敢行。彼女のビジネスパートナーであるネットリビングの蜂谷嘉子さん、本サイトのディレクターである薦岡摩梨奈も交え、まるでガールズトークのような取材になりました。

エストニアで500人のゲストを招いてファッションショー

川原好惠(以下、川原):『KRISS SOONIK』はどこで生産しているのですか?

クリス・ソニックさん(以下、クリス):私の故郷であるエストニアの工場よ。自社工場ではないけれど、その工場では『KRISS SOONIK』だけを縫製してくれているの。エストニアでの生産は、アパレルの仕事をしていた母がサポートしてくれているので、とても心強いわ。とはいえ、少なくとも1カ月に1回はロンドンからエストニアの工場に行って、チェックしたりミーティングしたり。工場とのリレーションシップはとても大切だから。

川原:エストニアでは、あなたは憧れの存在ですね。

クリス:それはどうかわからないけれど、エストニアの人々は親身になって私をサポートしてくれるから感謝しているわ。今度、モデル15人を使って約500人のゲストの前でファッションショーをやるの。帰国したら準備に追われるけれど、とても楽しみ(下記の写真参照)。

 

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クリスの故郷であるエストニアの首都、タリンのファッションウイーク10周年を記念してのショー。40ルックが披露されました。Photo: Erlend Štaub

 
「東京という街には、デビューした時から刺激を受けているわ」

川原:日本でのビジネスをスタートしたきっかけは?

クリス:もともと東京には興味があって、インスピレーションを得ていたの。ただ、日本に来る前はセーラームーンなどコミックのイメージが強かったかな。日本の女性にも『KRISS SOONIK』を知って欲しかったけれど、何の伝もなくて。でも、パリ国際ランジェリー展であなたと会って、その後、フィレンツェの展示会でマリナ(本サイトのディレクター薦岡摩梨奈)と会ってお喋りして、東京がすごく近くに感じられたわ。そして、ニューヨークの展示会でヨシコ(ネットリビングの蜂谷嘉子さん)と会って、2012年からビジネスをスタートすることになったの。日本に初めて来たとき、まったく違う街で出会ったあなた達3人が集まってくれて、表参道で再会した時は本当に嬉しかった。あの時、私は東京という街とうまくやっていけるって確信したわ。

川原:蜂谷さんとは、いいリレーションシップが続いていますね。

クリス:そう、2012年からの4年間はヨシコと一緒に成長してきたという感じ。もう6回も日本に来ているから、東京の街にも慣れたし、刺激を受けることもたくさん。今では、売り上げの面でもトップ3は日本、エストニア、アメリカなのよ。

川原:次のステップをどのように考えていますか?

クリス:もちろんブランドを成長させたいと思っているけれど、自分のやりたいことを自由にできることが、一番大切。ユニークであること、個性的であること、そして『KRISS SOONIK』のイメージをキープしていきたいの。

2016年秋冬のコレクションテーマは「Morning After」。
誕生日の女の子が盛大なパーティをした翌朝。サスペンダークリップがキーディティールになっています。Photo: Sandra Palm

 
「やりたいことがあったら、勇気を持って踏み出して」

川原:ブランドをスタートして7年。これまでで一番嬉しかったことと、大変だったことを教えてください。

クリス:色々あるけれど……一番嬉しかったのは、ブランドをスタートして5年目の2014年に、英国の「Cool Brands」に選ばれたことね。もちろん、スーザントップが日本の女性達に愛されたことも、すごく嬉しいことよ。大変だったことは、もぅすべてね(笑)!ビジネスを続けていくことは、大変なことの連続。でも、それ以上に嬉しいことがあったから続けてこられたわ。

*Cool Brandsとは……約3000人の顧客と37人の選考員がスタイル、革新、信頼、魅力、ユニークを基本に選出。その対象は、ファッションに限らず、食品、インテリア、家電、化粧品と多岐に渡る。http://www.coolbrands.uk.com/

 

川原:これからランジェリーデザイナーを目指す人にメッセージをお願いします。

クリス:「You have to try!」やりたいことがあったら、勇気を持って、なるべく早く踏み出して。色んなことを考え過ぎて、頭でっかちになるのは良くないと思うわ。もし、作っているものがあったら、私がそうしたように怖がらずに外に出してみるべき。ただ、色んな批評は謙虚に受け止めることも忘れずにね。

 

クリスさん、ありがとうございました!

 

2017年春夏コレクション。テーマは「Caribbean Dreaming」。
カリブ海をイメージした、爽やかな海を想わせるブルーや砂の色を表現したサンドベージュがメインカラー。

 

インタビューを終えて……

私が初めて『KRISS SOONIK』を見たのは、2009年に取材した、今はなきロンドン・ショーディッチのランジェリーブティック「Bordello」。黒のスーザンボディが飾ってあり、それを見た時の感動は今でもはっきり覚えています。振り返れば、それがデビューコレクション。今回のインタビュー(前編)で、SNSでクリスの作品を見つけ、「プライスリストを送って」と連絡してきた一人が、このブティックのオーナーだったことが判明し、感慨深いものがありました。そして、ビジネスパートナーである蜂谷さんとクリスは、まるで姉妹のよう。「共に成長している」というクリスの言葉からは二人三脚で歩んできた強い絆が感じられ、それが日本でのビジネスの成功の根底にあるのだとあらためて確信できたインタビューでした。

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