Lingerie Talk @ Lingerie Press vol.9

『LA VIE A DEUX』デザイナー 松村明子さん(前編)

「ファッションデザイナーになった後もランジェリーへの想いを忘れられず、1986年にブランドを立ち上げました

ランジェリー界で活躍する方々のルーツ、ポリシー、そして夢を語って頂く、「Lingerie Talk @ Lingerie Press」。

今回登場して頂くのは、元祖TOKYOファッションランジェリーとも言える『LA VIE A DEUX』のデザイナー、松村明子さん。同ブランドは今年30周年、その長い歴史を振り返るインタビューとなりました。

設立当時はデザインをしてパータンを引き、生地を裁断して工場へ

川原好惠(以下、川原):『LA VIE A DEUX』は今年、30周年を迎えました。今、30年ブランドを続けるって本当に大変なことですよね。どういった経緯でブランドを設立されたのですか?

松村明子デザイナー(以下、松村):故郷である広島の服飾専門学校に2年間通ってファッションデザインを学んだあと、上京。ニット専業メーカーやマンションメーカーに勤め、パタンナーとしてキャリアをスタートしました。そのあと、ニコルグループに就職して「スクープ」というブランドのデザイナーになりました。ただ、高校生の頃からランジェリーが好きで、専門学校生の時も裏地のような薄い生地にレースをつけてキャミソールを作って着たり、人にあげたり。会社に勤めている時も、上司に頼んでランジェリーのような服を作らせてもらったりしてはいたのですが、もっとランジェリーを作りたくて……。当時「モッズヘア」のヘアスタイリストだった鈴木(信三社長)も、何か新しいビジネスをスタートさせたいと思っていたこともあり、二人で1986年1月に『LA VIE A DEUX』を立ち上げたんです。

川原:そして、鈴木信三社長は公私共にパートナーとなられたわけですね。しかし、当時はDCブランド全盛期。中でも「スクープ」は人気ブランドでしたから、そのデザイナーとなれば超花形です。その仕事を辞めてまでブランドを立ち上げられたのは、本当にランジェリーに対する想いが強かったんですね。ランジェリーを好きになったきっかけは何かあるのですか?

松村:映画を観ていると、ビスチェやキャミソールなど肩や体のラインが出ているものを着た女の子が本当に可愛く見えて。それがきっかけでしょうか。

川原:ブランドをスタートした当時を振り返っていただけますか?

松村:鈴木はアパレルの経験がまったくないまま会社をスタートしたこともあり、生地を仕入れるつてもなく、二人で色んな所を探して回り、パターンも自分でひきました。縫製工場にお願いするほどの量を作れないので、自分で縫っていたこともありますし、請けてくださる小さい縫製工場を見つけてからも、私が生地を裁断して持って行ったりしていましたね。

その当時はキャミソール、パジャマジャケットやパジャマパンツ、フード付ガウンなどを作っていました。ビスチェが好きだったので、デニム素材やコットンレースで作ったり。生地探し、デザイン、パターン、染め、裁断と、全部やっていましたが、作りたいものが作れて幸せでした。

川原:当時はどんな店で販売されていたのですか?

松村:鈴木は作ったものを持って、どんどん営業に行ってくれて「渋谷SEED館(現Movita館)」、代官山の雑貨店「ファースト」、渋谷パルコPart3の「PM9」や鈴屋の「ベルシャンブレ」など、多くの店で扱ってもらいました。当時は、今でいうランジェリーのセレクトショップが色々あったんですね。3年くらいは二人で頑張っていましたが、だんだん忙しくなって人が増えて、現在は6〜7人で運営しています。

現代のオダリスク、Grazia’LLiani

『LA VIE A DEUX』初期の商品。コットンボーラーレースを縫い合わせたビスチェとフレアパンツ。当時はエレガントなランジェリーが主流の中、フレンチカジュアルテイストのデザインが人気に。

1990年頃のロングセラー商品であるキャミソール&ショーツ。今見ても古さはなく、そのまま商品化できそうです。

1990年頃はテディも販売。こんな夢のあるランジェリーが店頭でも求められる時代でした。

 
自分の魅力を知る、大人の女性に似合うランジェリーを

川原:あらためて『LA VIE A DEUX』の意味と、ブランドコンセプトを教えてください。

松村:日常に彩りを添えて、毎日をちょっと幸せな気分にしてくれるランジェリーがコンセプト。ONとOFFの2つ(DEUX)の生活時間(LA VIE)を彩る存在でありたいという想いが、ブランド名になっています。

川原:デザインするうえで大切にされていることは何ですか?

松村:大人の女性に似合うこと、その人の魅力が引き出されることです。10代の頃って「こうだったらいいのに」「どうしてああじゃないの」と自分の容姿にも取り巻く環境にも、ないものねだりで不満を抱えがち。でも、大人になると自分のことがわかり始めて、ありのままの自分を受け入れ、綺麗なものを身につけることが楽しくなってきます。そんな大人の女性が身に着けたときに、少し華やかさが増したり、お洒落に見えたり、肌の美しさがより際立ったりする、そんなランジェリーでありたいと思います。

現在は『LA VIE A DEUX』と、1999年にデビューした『DOMESTIC UNDER』の2ブランドを展開。両ブランドとも、個性豊かなプリントが魅力。写真の商品は2010〜2015年のコレクション。

 

次号(12/26公開予定)では、物づくりのプロセスとこれからデザイナーを目指す方々へのメッセージなどをお聞きします。お楽しみに!

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