Lingerie TALK vol. 17 『スロギー』

トリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)

スロギー事業本部 プロダクト&マーチャンダイジング部 エキスパート

河野智美さん(前編)

 

 

ランジェリー界で活躍する方々のルーツ、ポリシー、そして夢を語って頂く、「Lingerie Talk @ Lingerie Press」。
今回は、新感覚インナーウェア“ラク”ブラとして注目の『スロギー ZERO FEEL』ノンワイヤーブラの生みの親であるトリンプ・インターナショナル・ジャパン(以下、トリンプ)の河野智美さんに登場していただきます。シリーズ累計販売枚数230万枚突破の大ヒット商品はどのようにして生まれたのか、河野さんのキャリアとともにご紹介します。

*2012年1月〜2017年2月末納品実績 トリンプ調べ

入社後は足りない知識を補うために
レース、素材、部材……それぞれのプロに必死で学び、
週末は専門学校でパターンの勉強

 

レッグウェアメーカーから下着メーカーのトリンプへ

川原好恵(以下、川原):本日はお忙しい中お時間をいただき、どうもありがととうございます。河野さんはトリンプに入社されて何年ですか?

河野智美エキスパート(以下、河野):2004年に入社しましたので、13年目になります。

川原:ずっと下着業界一筋ですか?

河野:いえ、トリンプに入社する前はレッグウェアのメーカーに9年間勤めていました。大学では経済を学んだのですが、どうしても物づくりに関わる仕事をしたくて、製造業を中心に就職活動しました。そして、レッグウェアメーカーとご縁が繋がり、就職させていただくことに。そのレッグウェアメーカーでは、おおまかに色・柄・形などを決めるのはデザイナー、糸・素材の選択、生産・価格をコントロールするのは企画と仕事が分かれていました。でも、企画は全員男性。私が就職した1994年当時は今以上に男性社会で、お茶汲みも女性がやるのが当たり前だったんですね。その後、社長が米国の職場環境を見て刺激を受けたり、リベラルな後輩達が声を上げてくれたりして、だんだん男女間の壁は改善されました。そして、私にも婦人ソックスの企画を任されるチャンスがめぐってきたというわけです。やりたかった物づくりに深く関わることができ、やりがいもあり、6年ほど続けました。ただ、企画部が関東から関西に移動することなり、ここで一区切りしようと思って退職しました。トリンプに入社したのは、そのあとです。

川原:レッグウェアメーカーとトリンプでは、どのような違いがありましたか?

河野:物を作るというのは同じですが、まったく違いましたね。靴下に使う糸のことは詳しかったですが、ブラジャーを作るレース・素材・部材に触れるのは初めてですし、種類の多さにも驚きました。縫製工程の多さも靴下の比ではありません。今までやってきたことは、まったくと言っていいほど生かせませんでしたから、とにかく勉強することが多くて。

川原:具体的には、何から勉強し始めましたか?

河野:やはりレースですね。レースメーカーさんに、表・裏の見方から始まり、種類などいろんなことを教えてもらいました。素材や部材に関しても同じで、それぞれのプロに必死に教わりながら、必要な知識を埋めていく日々。あと、土日は文化服装学院に2年間通い、1年目は平面、2年目は立体で服のパターンを学びました。下着はパターンの基礎がないと企画できませんから。

川原:転職して、ただでさえ環境が変わりプレッシャーもあって大変なのに、学校まで行かれたんですね。

河野:中途採用ですし、会社でのんびり勉強する暇はありません。やるべき事は、どんどん追いかけてきますから、もぅ走りながら着替えているようなものでした(笑)。時にはつまずいて転がって泣いて、また起き上がって走る。それを繰り返し、失敗もしながら仕事を学んでいきました。

トリンプ・インターナショナルが、1979年からグローバル展開している『スロギー』。日本では1986年に発売がスタートしました。そして、いっさい縫製せず、接着のみで仕上げた日本企画の『スロギー ZERO FEEL』が、まずショーツから2008年にスタート。続いて、現在のスロギー人気を決定づけた接着によるノンワイヤーブラジャーが2013年に登場しました。


今年4月にスタートした2017年夏版のCM。

「完成形のイメージが手の中にあり、
それに向かって技術と工程を駆使しながら作り上げる」

 

川原:トリンプではどのような仕事に関わられたのですか?

河野:ブラジャーに始まり、ショーツ単品、インナーと担当してきました。『スロギー ZERO FEEL』は、まず2008年に接着ショーツ単品が先行して発売されましたので、その時から携わっています。

川原:トリンプの肌着は、とてもユニークな切り口やネーミングのものが多い印象ですが、河野さんが担当された商品の中でヒット作はありますか?

河野:2015年発売の「温泉インナー」と、2016年発売の「生姜インナー」でしょうか。

川原:たしかに、あの2つは私もよく覚えています! ナイスアイデアでしたね!

河野:アイデアは色々なところから出てくるので、その中で「面白い!」と思うものを形にするのが私の仕事です。肌着は糸作りから始まり、糸の太さ・組み合わせ、編み方、伸縮性を出すためのポリウレタンの混率、加工方法、柔軟剤の種類、耐性試験……シンプルな形の中にあらゆる技術とたくさんの工程が詰まっています。完成形のイメージが手の中にあり、それに向かって技術と工程を駆使しながら作り上げるのが肌着です。今はいくらでも安価な肌着が手に入る時代。トリンプが出す肌着は、お客様に納得していただける付加価値をどのように付けるかが勝負。私達は、日々それを探求しています。

 

*次号(4/30公開予定)では、『スロギー』のノンワイヤーブラジャー誕生について、お聞きします。

2015年発売の「温泉インナー」。温泉余土に含まれる粘土鉱物「スメクタイト」と、“美人の湯”で有名な新潟県・月岡温泉の源泉を使用した「温泉加工」を身生地に施すことで、温泉に浸かっているかのように、優れた吸湿発熱性とやわらかくしっとりした肌ざわりを実現。

2016年発売の「マジ軽ホット 生姜インナー」。黒生姜パワーを付加した「生姜加工」で高い吸湿発熱性を発揮。海底火山によって生まれた鉱物練り込み糸を使用することで遠赤外線放射機能もくわえ、薄くてもあったかな肌着に。

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